教育問題のトピックス

教育問題に関する論評です

大阪市立高校の府立移管について

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大阪府大阪市は2020年12月、大阪市立の高校全校を2022年度に大阪府に移管するとして、関連条例を成立させました。

 メリットとデメリット

このことについては、「大阪府の広域的なメリットを生かすことで、教育条件の向上になる」ともされています。

しかしその一方で、デメリットになりうることも指摘されています。

  • 大阪府大阪市はそれぞれ独自の方向性で、教育を実施してきた歴史的な過程がある。無理に統合することで個性が失われるのではないか。
  • 大阪市の財産を大阪府に無償で譲渡とすることになるのは問題ではないか。
  • 大阪市の廃止・特別区設置住民投票で、大阪市大阪府に一元化することは否定されたという民意が出ているにもかかわらず、強行しているのは民意無視ではないか。

また先だって2016年度には、大阪市立の特別支援学校が大阪府に移管されました。その結果、

  • 教職員の配置基準が大阪府基準に下げられて大幅に減らされた
  • 給食が民間委託された
  • 予算が削減され、市立時代は学校経費で購入していた教材が府立移管後には家庭の費用で購入することになった

という指摘があり、同じことになってしまうのではないかという不安も出ています。

大阪市立高校での教育

公立高校が、大阪府立と大阪市立に並立しているのは、明治時代からの歴史的な経過だとされています。

1900年に「大阪府教育十カ年計画」が出され、大阪市内の中等教育について、旧制中学校・高等女学校は大阪府が、実業系学校は大阪市が主に担うとする取り決めがおこなわれました。

その後学制改革後の新制高校にもそれが受け継がれたような形になりました。

平均的な普通教育が中心の府立高校と、特色化の方向で独自化を図っていた市立高校というカラーの違いが生まれていました。

普通科系の学科では、市立高校では特色ある学科を作るなどの工夫をおこなっていました。

また工業系の学科では、1年時は共通教育で2年以降に専門系に分かれる府立工科高校に対して、1年時から専門教育をおこなう市立工業高校という違いも生まれていました。

入試などについては、大阪府大阪市の両教育委員会が協議の上で、共通の内容でおこなうことや、専門学科などでは市外の生徒を締め出すなどのことはなく同じ条件での募集としていることで、受験生には特に支障がありませんでした。

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