教育問題のトピックス

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大阪市「オンライン授業」で学校現場に混乱

新型コロナウイルスでの3度目の「緊急事態宣言」が2021年4月25日より大阪府などに出されたことに伴い、大阪市立の小中学校では発令後初の授業日となる26日より一部オンライン授業に切り替えた。

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オンライン授業(イメージ)

松井一郎大阪市長が市教委の頭越しに突然「オンライン授業への切り替え」を記者会見で表明した。市教委は最終的に「一部オンライン授業との併用」のような形で、各学校ごとに実施するとした。

大阪市教育委員会が各学校に出した通知によると、小学校では「1・2時限をオンライン授業、3時限めに登校して健康観察・オンライン授業の復習・給食のあと帰宅、午後は家庭学習」、中学校では「午前中1~4時限をオンライン授業、昼に登校して給食、午後の5・6時限は学校でオンライン授業の復習」を標準モデルとし、具体的な1日のスケジュール等は学校の状況に応じて柔軟に設定できるともした。

大阪市教育委員会はマスコミに対して、西区のある市立小学校を取材校として紹介し、オンライン授業初日には各テレビ局や新聞社がその学校での授業の様子を報道した。当該校ではオンライン授業がうまくいっていたとされるが、その学校はかなり前からICTを活用した授業実践の研究をおこなっていたモデル校でもあったという。

「オンライン授業」への不評

一方で、「オンライン授業」については、大阪市の学校現場や保護者からは不評だという声が相次いで聞かれている。

Yahooニュース2021年5月6日配信『大阪市の教員から怒りの声、オンライン授業に登校での給食』や、『しんぶん赤旗』2021年5月8日付『「原則オンライン授業」発言 子どもの学び止めるな 大阪市長に怒りの声』など複数の記事になっている。

news.yahoo.co.jp

実際は大阪市内でも実施状況に差がある。

「保護者が仕事を休めない・設備が整っていないなどの事情で、朝から登校させる」

「市のネットワークでは、全校で一斉に配信できるほどではないので、オンライン授業実施日を交代で割り当て、プリント学習などで対応する場合もある」

――そのような状況も生まれている。

報道をしっかりと読むと「オンライン授業がうまくいっていない例」も紹介されていた。

しかしながらその一方で、モデル校とされた当該校での取り組みが大きく報じられてその学校での印象が先行したような形になった。教員からはこういう報道があると、大阪市の全部の学校でオンライン授業がきちんとやられていると世間の人たちは受け取りますよね。学校現場は、たまったもんじゃありません(Yahooニュース『大阪市の教員から怒りの声、オンライン授業に登校での給食』)と危惧する声もあるという。

さらに大阪市以外の府内の自治体では、小中学校では通常の対面授業をおこなっている。

オンライン授業で学びに遅れが出る・学校や地域で学びに差が出るのはおかしい・通常の対面授業に戻すべきではないかという苦情も出ている。『しんぶん赤旗』によると、中学生の子どもを持つ大阪市内のある保護者の声として「一日も早く通常の対面授業に戻してほしい」と訴える声が紹介されている。

また感染防止としながら授業をオンラインにして、感染リスクが一番高いとされる給食を実施しているというのもちぐはぐ、市長の「人気取り」ではないかと疑問視する声も指摘されている(Yahooニュース『大阪市の教員から怒りの声、オンライン授業に登校での給食』)。

複数の中学校では5月の連休明けより「学校の状況や保護者の要望などを総合的に判断した」としてオンライン授業を取りやめ、午前中4コマの短縮授業・給食終了後に下校という形態に切り替えたという。

オンライン授業という形態そのものを即全面否定するというのも正しくないのだろう。一方で大阪市でのオンライン授業のやり方はあまりにも性急で準備不足過ぎて、また学校現場の状況を十分に把握せずに頭ごなしにおこなったことで、学校の実態に合っていないのではないかという印象も受ける。

感染防止対策などは当然重要なことであり、しっかりとおこなっていく必要がある。その一方で、学びのあり方などについてもていねいに検討し、学校現場の実態に合ったようなよりよい形での実施が求められる。

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